カウンセラーの大西さおりです。

ある日のことです。

通りかかった道端で、数人で何かを囲んでいます。

近づいてみると、可哀想に車にはねられたのかネコが一匹動かなくなっていました。

どうやら野良猫のようです。

一人が「役場には連絡したから」と言っていて、別の人は綺麗な段ボール箱とタオルを持ってきていました。

回収されるまでの間、そのまま道端に置かれているのをみるのは確かにつらいものです。

あっというまにタオルに包まれ、綺麗に箱に入れられたネコにちょっと安心してその場を離れました。

用事を終えた帰り道、再びその場所を通りかかってみると。

まだ箱は置かれていました。

回収の人がわかりやすいようにでしょうか、道端に蓋を開けたままになっています。

なにげなく中をのぞいてみると、近くに生えているタンポポが数本入れられています。

そしてネコ用のおやつの小さな袋も入っていました。

おそらく箱を見た誰かが入れてくれたものなのでしょう。

親切な人たちのやさしさがどんどんつながっていったのです。

悲しい中にもうれしさを感じるような、そんな出来事でした。