カウンセラーの大西さおりです。

私たちの頭の中には、一見何も考えていないように見えても、いつもさまざまな考えが浮かんでいます。

ためしに目を閉じて、こころを無にしてみてください。

　お昼はなにを食べようかな

　そういえばあの書類、やらないと…

　帰りの買物、なんだったっけ

　きのう叱られた上司と顔をあわせづらいなぁ

などなど、あっという間にいろいろな雑念が湧いてきます。

でも、安心してください。

これが私たちの脳の普通の状態なのです。

車でいえばアイドリングしているようなもの。

いつもいろいろな考えが頭の中で“待機”しているからこそ、私たちはすぐにほかのことに対応できるのです。

とはいえ、この雑念が大きくなりすぎてしまうと問題です。

多くの場合、雑念は浮かんでは消え、またほかの雑念があらわれます。

でもうまく切り替えができないと、いつも不安になってしまう、憂うつな思いが消えない…となってしまいます。

これは不安や憂うつに飲み込まれてしまっているようなものです。

ここから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか？

たとえば、吸って吐く自分の呼吸に集中してみる。

散歩をしながら、自分の体の動きに集中する。

外の音や匂い、風や温度などの感覚を研ぎ澄ます。

人は一度にたくさんのことに集中することはできないようになっています。

こうしたことに集中している間は、不安や憂うつなどの雑念は消えているはずです。

はじめは難しいかもしれませんが、雑念から意識して離れてみることに挑戦してみてください。